たぶん聴覚情報処理障害

比較的最近気が付いたことがあります。どうやら自分は聴覚情報処理障害があるのではないかと。

 

昔から騒がしいところでの会話が苦手でした。相手が何を言っているのかよく聞き取れないのです。例えば大衆居酒屋。例えば人混みの中。車や飛行機などの乗り物の中でもあまり聞き取れません。

 

なので誰かと夜の外食に行くのが苦手でした。騒がしいところが多いので、非常に聞き取りづらいのです。それでも何とか頑張って聞き取ろうとするので疲労がすごいのです。

 

アメリカのレストランは日本よりさらに騒がしいことが多いので、稀にお夕飯に誘われると正直なところ嬉しさより疲れるから嫌だなという感情が勝ってしまいます。実際たいてい断ってしまいます。

 

反響音の強い場所でも何を喋っているのかうまく聞き取れません。例えば銭湯。例えばサッカースタジアムでの選手インタビュー。

 

くぐもった声もよく聞き取れません。例えば低音質の電話。思い出してみると電話はよく聞き落とすので昔から苦手でした。初入社した会社で時々電話を取らないといけないのが地味に苦痛でした。

 

何度も聞き返してしまうので相手を苛立たせてしまうことも多いです。そのため騒がしい場所に誰かと行くこと自体を避けるようになり、また、行かねばならない時はあまり喋らないようにしていました。

 

さいころからそうだったものですから、皆がこんなものなのだろうと思っていました。騒がしいところでは聞き取りにくい。特に不自然なことでもないので、あまり疑問にも感じていませんでした。喧噪の中で平気で会話している人はいますが、きっと大声で話しているんだろう。そんな風に思っていました。

 

しかし、皆が皆そうではないらしいということを最近知りました。むしろ自分はどうも少数派らしい。僕は聴力には特に問題がありません。どういうことだろうと調べてみるとこんな記事を見つけました。

 

www3.nhk.or.jp

 

> 聴力は正常でも雑音の多い場所では必要な音や話を選び取れず、理解できなくなってしまう「APD(=聴覚情報処理障害)」という症状があります。

 

これを読んで、まさしくこれは自分だと思いました。必要な音と雑音が同時に大量に入ってくるので、必要な情報がうまく抽出できていない。改めてどう聞き取れていないかを思い起こすと、このような感じがします。音自体は耳に入ってきているのです。

 

自分にはこのような障害があるようだ。こう自覚した時、今までの様々なことに合点がいきました。何故多くの人々は騒がしいレストランで楽しむことができているのか。何故友人たちは喧噪の中で平気で話しかけてくるのか。何故サッカーファンは反響音の強いスタジアムでの選手インタビューで大いに沸くことができるのか。彼らには特に問題になっていなかったのです。

 

最近では知人や家族に「自分は騒がしいところでは聞き取り能力が著しく下がるのでよろしく」と予め伝えるようにしています。努力で何とかなる話ではなさそうなので。それにそういうものだと知ってもらえれば、僕が何度も聞き返しても苛立ちを覚えにくいでしょう。

 

現在この障害の原因はわかっておらず、治療法も確立できていないようですが、近年のAI等の発達により対処は可能になるでしょう。ノイズキャンセリングヘッドホンや補聴器のように、聞き取りやすいように動的に音声を調整するイヤホンなどが登場するのではと思います。

 

と、ここまで書きましたが、自分にこの障害があるというのは勝手にそう思っているだけなので、あまり決めつけないように気をつけねばとも思っています。素人の自己判定は危険ですので。