COVID-19ワクチン第一回目接種の記録

自分で後から見返すために記録を残すのならば、やはりその年に起きた象徴的なことは積極的に書き残すべきでしょう。というわけで去る4月19日にCOVID-19ワクチン第一回目を接種してきたので、それについて記します。

 

当初はワクチンをすぐに打つつもりはありませんでした。そもそも非移民ビザでアメリカにいる自分がいつワクチン接種対象者になれるのか見当がつきませんでした。また、副反応が怖かったので、十分多くの人が打ち終わり大きな副反応も起きなさそうだということが分かってから打とうかと思っていました。

 

車を持っておらずワクチン接種会場を訪れることが難しそうだったことも理由の一つです。知人のワクチン接種完了をのんびりと待ち、その後車で送ってもらえないかなと考えていました。UberLyft、もしくはその他公共交通機関を使うという手もありましたが、このコロナ禍ではそれらに乗る気にはなれませんでした。

 

しかしさすがアメリカ。人々のワクチンへの期待は高く、政府は強大な力を使って大量のワクチンを確保し、ワクチン接種を進めていきました。ワクチン接種対象者の範囲はどんどんと広がり、遂には自分も対象になりました。後から知ったのですがワクチン接種において米国民と非移民ビザ保持者をそんなに区別していないようでした。

 

自分の周りでもワクチン接種を済ませた人が増えてきました。アメリカ全体でもワクチン接種を済ませた人がかなり増え、ワクチンの種類にも依りますが大きな副反応の報告も多くはなかったようでした。このあたりからだんだんと自分も打ってもいいかもという気持ちになってきます。

 

さらに、ニュースを見るに日本ではワクチン接種があまり進んでいなそうでした。一方アメリカでは高齢者でもなく基礎疾患を持っているわけでもない自分ですら接種機会がありそうだと考えると、打てるなら打つべきだという風に考えが変わってきました。

 

年末日本に一時帰国をしていたのですが、そのときにmRNAワクチンの解説漫画を読む機会があり、mRNAワクチンならば問題は少なさそうだと心理的な抵抗も下がっていたことも背景にあるのかもしれません。

 

sitizo.jugem.jp

 

COVID-19の強い後遺症の報告も散見されたので、それも自分の心を動かした要因の一つでしょう。

 

そして、カリフォルニアではワクチン接種の予約サイトも設けられました。近場に接種会場があるならば予約してしまおうと意気込んでサイトを確認したところ、家から徒歩で1時間ほどの距離に接種会場があることがわかりワクチン接種の気持ちが固まりました。

 

しかしワクチン接種の予約はすぐに埋まってしまいます。一方キャンセルも多いのか時折予約可能枠が不意にできたりもします。そこで何日かかけて何度も何度もサイトを更新することによりついに予約を勝ち取りました。仮押さえができたのになぜか他の人に予約を取られてしまったことが続き、サイトの不備の可能性も考え心が折れそうになっていましたが、諦めなくてよかったです。

 

接種しようと決めてから副作用のことはあまり考えないようにしていたのですが、いざ予約が取れると不安になってきました。一方、COVID-19に怯える日々からの解放を思うと気持ちの高鳴りもありました。また、日本に住む高齢の両親ですらいつワクチン接種ができるかわからない状態なのに自分はもう打てそうなことから、この世の不公平感や一種の優越感など複雑な感情もありました。

 

そして接種日当日。1時間かけて歩いて予約時間から30分ほど早く会場に着いたのですが、そこには長蛇の列。会場をぐるっと回ってなんとか最後尾に辿り着きます。行列整理の人がいたので聞いてみると、なんと2時間待ちとのこと。予約時間が迫っていることを伝えると、気にせず列に並んでくれと言われました。

 

待ち時間中にとても気になっていたことが一つ。打つワクチンの種類です。ニュースなどを見る限りファイザーとモルガナのmRNAワクチンは効果も大きく副反応も少なく、世を騒がせ始めていた変異株への効果も期待できそうで、特にファイザーの評判がいいのでファイザーのワクチンを打ちたいと思っていました。一方中国製のワクチンは効き目も低そうで避けたかったです。

 

予約時にはどのワクチンが打てるのかの情報がありませんでした。知人に聞いたところ、自分のようにワクチンの好みがある人が多いらしく、希望のワクチンでない場合にキャンセルすることを防ぎたいのではと言っていました。

 

事前に色々な口コミなどを漁り、この会場ではファイザーかモルガナが打てそうだとはわかっていたのですが気持ちは落ち着きませんでした。列の半ばころまで来たときに係の人から書類を受け取りました。そこに「あなたはファイザーのワクチンを打ちます」というカードが挟まれており、ほっと安堵しました。

 

ようやく会場入り口の前まで来て受付を済ませました。受付の人は日本人のタカヒロという友人がいるらしく、その人と同じようにタカって呼んでいい? なんていうアメリカらしい会話を終え、会場に入りました。

 

会場に入ってからはすぐにワクチン接種が始まりました。6番のところへ行ってと言われそこへ行くと、生年月日や名前、どちらの肩に注射するかの確認をされ、早速注射。筋肉注射は独特の痛みがすると聞いていたので内心怯えていたのですが、予想外にほとんど痛みもなくあっという間に終わりました。痛みがなさ過ぎてちゃんと打てたのか不安に思うぐらいでした。

 

第二回目のワクチン接種の予約を取った後に、安全のために強い副反応がでていないことを確認したいとのことで、15分ほど待合室での待機を命じられました。まばらに並べられたパイプ椅子でぼーっと時が過ぎるのを待っていました。

 

幸いなことに副反応らしきものは特になく、周りの人も同様でした。しかし待機中に1人だけ膝から崩れ落ちた人がいて副反応は個人差が大きそうだと思いました。待機していた看護師さんらしき人たちが迅速な対応をしていたのをよく覚えています。

 

15分が経ち特に問題がなかったので会場を後にしました。おそらく会場整備、会場設備、受付など多くのボランティアが関わっており、感謝の気持ちでいっぱいでした。アメリカでワクチン接種が順調に進んでいるのはボランティアの人達の力も大きいのでしょう。

 

途中ベトナム料理屋でフォーとスムージーを食べつつ、また1時間かけて帰りました。副反応も特に感じられず油断していたら、夜から注射した肩とその周辺の筋肉が痛み出しました。典型的な副反応のひとつのようです。痛みは強まりその日はよく寝られませんでした。

 

次の日も痛みは続き、いつまでこの痛みが続くのかと心配していたのですが、その次の日から痛みは落ち着いてきました。痛みもなくなり、現在まで他の副反応らしきものはありません。正確に言うと1週間ほど経ってからやけに手首の筋が痛かったときがあったのですが、前日に少し捻った気がするのでおそらくはそのせいでしょう。

 

第二回目の接種は来週の5月11日。副反応は一回目の接種よりもきついことが多く、発熱や強い倦怠感がよく起こるしいです。一回目の接種でそれなりの副反応が出たことから、二回目でも副反応は避けられない予感がしており、今から憂鬱さとワクチン接種完了の期待感のせめぎあいです。

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